斎藤孝について

「本人について」「本人分析」「目標」「本人が尊敬する人」「私淑」「福沢諭吉ロールモデル」「3色ボールペン」「自分の資本づくり」「考え方」「質問」「最高級のものに出会う」「盗む」「発見」「過剰」「上達」「練ること」「コミュニケーション」「書くこと」「書くことの具体的なトレーニング」「話すこと」「音読」「相談」「主観から客観には、対話と読書」「読書」「成長」「体験」「肚をくくる」「肚がすわる」「中間コミュニケーション」「抽象と具体」「理解」「縁」「アイデンティティ」「知情意体」「並べ置き方式」「アプローチ」「座ると歩く」「上機嫌」「身体を重くする練習」「丹田呼吸法」「技化や習慣」「具体的な習慣化」「哄笑」

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「本人について」
中学時代はケンボウというあだ名
高校時代はおもろいやつの語録を作り販売していた
浪人時代=何者でもない=逆境の人生を送った人をアイデンティティ
定職なしの院生時代=職人としての共通認識でアイデンティティ


「本人分析」
自信を持つ道具は、テニスラケット、日本語、3色ボールペン
「7,8割が国語力、言語力で2,3割が身体感覚の割合で研究
私利私欲のためでなく、公共的な野心を
基本的に生産性のない場である喫茶店で、難しいことを考える快感がある


「目標」
言葉の力を信じたい。言葉によるコミュニケーションの本来的意味を復元させたい。言葉を自由に駆使して、議論を交わして批評し合えたりする社会を蘇らせたい。それこそが冷めた社会を変える一つの力になるはずだから。
日本の教育を変えていきたい。全日本人に対して発信はできないが、
教授として、大学からは教師になる学生に教えることで、彼らがそのノウハウを実践し広げていく。著者として、書籍から読者層を絞り、幅広い層の人たちへ意識改革の必要性を伝えていく。自分がいいと思う概念や方法が人々の習慣になること。
本当のことばは、自分の内側にしっかり埋め込まれた宝物のようなもの
その宝物は、自在に取り出すことができなければならない性質
記憶し、声に出して発し、そしてことばは本当に磨かれていく。そこではじめてことばは自分のものになると言える


「本人が尊敬する人」
先行者ロールモデルを3〜5年で更新する
与謝野晶子、加納治五郎、佐藤紅禄、井上雄彦梶原一騎
斎藤秀三郎斎藤秀雄、岡田虎二郎、吉田松陰福沢諭吉
夏目漱石司馬遼太郎ゲーテドストエフスキー宮沢賢治
エジソンアンドリュー・カーネギー渋沢栄一豊田佐吉
小林一三、フォード、フランクリン、etc‥


「私淑」
束縛されず、自由でいられる、都合のいい学びが可能。気分が乗らない時は本を閉じればいい。自分の中で知識欲が燃え盛っているなら、貪るようにページを繰ればいい。時空を超えて師匠に出会える


福沢諭吉ロールモデル
・不羈独立の精神
・文章のきらびやかさより、
書かれている内容と、分かりやすい文体の創出に意識を
・メリハリのある生活
・パブリックな場できちんと自分の意見を発言できるようになること
そのために学問をする、それが学問を生かすことであるで、
まず勇気を持つこと、学問はそのための道具である
・来るものは拒まず、去る者は追わずというスタンス
・オリジナルよりアレンジを
・考えても埒が明かないことでは悩まない
・必要とあらば金は惜しまないが、無駄遣いは嫌う
・自立した者同士の友情は自分を高める糧となる
・23〜28歳の過ごし方が人生において決定的に大事
・精神はカラリとしたもの
ネガティブなものを整理してすっと捨てられる潔さ
・血に交わりて赤くならぬ
仲間たちとはまともに付き合わないが、
周囲から浮かない程度に和気藹々と話をする
・活用なき学問は無学に等し
実際にどう活用するかという観点を持って臨まなければ学問に意味はない
・自分探しは時間の無駄
自分の力で食べていくのだという決意を原動力にして仕事を選ぶ
力を付けなければ現状を切り開けない所にまず身を置くこと
・大事なのは「意味を解す」こと
たとえ語学力があろうと、
実際の現象に見合う説明ができなければ訳が間違っていると同じ


「3色ボールペン」
赤は客観的に重要、青は客観的にまぁ大事、緑は主観的な興味
緑に共感してもらえるかは自分の表現力次第


「自分の資本づくり」
まず、時間と労力とお金の使い方を吟味すること
自分の種類と異なる人との出会いを増やすこと(人格の幅)
相手の欠点を楽しむこと(人間理解力)
お金を無形のものにつぎ込むこと(自分の資本)
憧れを持ち、徹底的にその人について勉強することで自分の資本にする


「考え方」
自分でテーマと期限を決めて執着すること=締切効果
考えるのは成果主義
10秒、15秒、1分、3分の区切りでベストを尽くす
ミッション、パッション、ハイテンション
向学心、向上心、知的好奇心
常に今の自分と地続きの所にあるという自覚
何をするにしてもストップウォッチで締め切り時間を設定
せめて上機嫌、最低でも上機嫌
発明家としての気概(=新しいことを生み出すんだという気持ち)
「何とか職人」と自分で規定することで腹をくくる
何故勉強する?頭が良くなるから。
その時期ごとの課題を一生懸命生きてみよ
対象に向かって問題を細分化する
表現方法はミニマムに、吸収の器はマキシマムに
なすべきことがある生活に張りが生まれる
記憶の定着はシチュエーションが大切、音読や暗唱も
ほとんどの新しい知識は従来の知識や経験の延長線上にある
誰とでも世間話できること
偏愛マップで、すぐに打ち解けよう
緊張感のある場で全力を出した後の疲労感が最高
単独者としてその場に臨む=充実した孤独
辛くとも充実感がある
感動と憧れが根底にあれば、苦手なことでも耐えることができる
応用するんだという意識を追求する態度が、影響関係を増幅させていく
can u〜?よりu can do it.  nice playよりgood job.
共有する喜び、学びの緊張感、一期一会の精神
意味がわからないで抵抗するのは無意味
これは自分が絶対だというものを身に付ける
アレンジできるテキストをたくさん持つこと
自分が出会ったものだけ大事というスタンス
人に求められることや社会的な使命感を最優先に考え、自身の感情は二の次
地道な努力があれば、自画自賛できる
一期一会の勝負感覚
退屈さ、倦怠感、自分の存在の無さ、に対する不安との戦いから逃れることは難しい


「最高級のものに出会う」
その意義は強いあこがれや感動をもらうため。
あこがれや感動がないと盗む意欲が生まれない。


「盗む」
盗むという積極的な意識を持って初めてヒントを得るもの
暗黙知をいかに明確に認識するか


「発見」
自分の足で探しまわって、百や千に一つのあたりがあった時に何倍にも増幅されて訪れる
無駄な努力を惜しむようになった現代では、これが得られにくい
成功だけ、効率だけの毎日のコレクションには飽き飽きするつまらなさがつきまとう


「過剰」
太陽=有り余っているエネルギーを全宇宙にまき散らしているだけ
知恵や知識が過剰になり、それを誰かに与えることが自分にとっての喜び


「上達」
上昇は全ての基本。
恥ずかしさをかなぐり捨てること
自分の中で技術がどのような変化作用を被るのか的確に認識する力。
自分にとって誰をロールモデルとするかの問題意識を持ち続けること。
ある領域の上達プロセスを別の領域にチャレンジする際に活かす認識力が大事。
自分が上達する筋道が見えることが頭の良さである。
その世界に没頭しつつ自分のやっていることを、
鮮明に意識できる時間がある程度続いたときにコツが見出される。
非常にエネルギーを消費させるもので、これを消費するのが最善策。
上達がないただの繰り返しは、疲労感は得られるものの、十分な充実感はない


「練ること」
ばらばらなものを時間をかけて繰り返しすりつぶしていくことで、
徐々に粘りが出てきて、くっついて一つの粘りあるまとまりになる。
頭の中であらゆる状況を設定して、
人が疑問を持つようなところはすべてクリアした上で、
外国語に翻訳できるぐらいシンプルに分かりやすい案にまとめ上げる作業


「コミュニケーション」
話すことを前提で話を聞くと、吸収力が大きく変わる
意味や感情のやりとりで、誰でも不安になるもの
まずリラックスされること
相手が伝えようとしている意味をしっかり受け取ったか常に自問自答
会話中にキーワードだけメモし、話の分岐点を図化して明確にする
自分が話を再生するんだという気持ちで臨む
意味の含有率を意識する
うなづく、あいづち(心が通じ合う感覚を共有)
言い換え(内容が消化されていることが相手に伝わる)
引っ張る(相手が少し前に言った言葉を、もう一度今の文脈に出す)
変化やコツ、ひらめき、工夫したポイントなどを聞く
物事の結果より、何かが生まれたきた経緯を聞く
自分が聞かれたら、到底答えられないような質問はしない


「書くこと」
体験や経験の意味をはっきりさせる行為
イデアを出すまでは主観で、その後は客観で文章を構築すること
個人的に面白い部分を共感してもらうには、読書でセンス磨き
引用して、自分がどういう刺激を受けたかを書く
つながりそうにないものがつがかることが良い文章
3つの事柄を、つなげて図化し、文章へ(=無理矢理アナロジー
主語の「てにをは」と述語の着地点をしっかり対応
書くことを意識して、読まれる事を意識して
読書量に比例してスキルは磨かれる
手書きよりPCを使うこと
早いし、削ぎ落しも楽、落とした部分が保存可能だから
読んでいて恥ずかしい文章には生命力がない、つまり努力不足
誰に向かって書くかを明確に意識して



「書くことの具体的なトレーニング」
その本のおもろかった所は?
著者が言いたいことは?
あなたがそこから学んだことは?
あなたが好きな本のポップを書いてみる
マンガのセリフとセリフの間を補いながら難しくつなぐ練習
コボちゃんドラえもん浦沢直樹はいいテキスト
お気に入りのマンガや本、映画について解説、紹介
積もった雪と大漁からの感想
前座が熱いの感想


「話すこと」
書き言葉で話せること
言葉を通じて頭の中のイメージを交換する作業
目的を持ってする方がストレスは少ない
自分の話を録音する
最初の1分でどれだけ話せたかチェックし、
2回目にそれを意識して再トライ80%で十分
なんとなく伝わるだろうが通用しない意識
人は自分の経験と繋がらないことに興味を持たないから、
聞き手の経験を推測し、それを思い起こさせる(共感の土壌を)
いろんな知識、智恵、体験が詰まったエピソードのストック
そのネタとどう出会い、どう関わり、どんな意味があるか
言葉の引用は話に厚みを増すもの
本から得た知識の再生を基盤にし、自分の体験を織り交ぜる
子供でも分かる説明であること


「音読」
満足できる分からなさを音読で
その人の実力が分かる、抑揚や単語を切る点から


「相談」
問題の解決と痛みの共有
解決策がなくても、何か建設的なアイデアが出そうなもの
誰かと心を通い合わせて気持ちの整理をする目的もよい


「質問」
自分が聞きたいことでなく、相手が熱く語りたいこと
自分が聞きたい、かつ相手が話したいがベスト
後から相手が思い返した時に印象に残る言葉
目の付けどころ、短く語る、言葉のインパク
その業界の基礎的な知識と新聞に掲載されていた情報の組み合わせ
そこに自分の意見があればグッド
メモの内訳 66%が話の内容で、33%が質問内容
その場にいる全員にとってプラスになること
自己紹介と質問内容を10秒以内で
あらかじめその内容を箇条書きで相手に渡すのも手


「主観から客観には、対話と読書」
主観の暗黙知=非言語で、インプット=自分の経験世界
客観の形式知=言語で、アウトプット=共有できる世界
言語化」することが懸け橋となる。
その橋を作るには、語彙力や表現力が必要で「読書」を重ねる、あるいは、「対話」を通して作られていく。
言葉にならないことを言葉にできた時は非常に快感を得る。
勉強は再生できること、仕事は活用できること。
活用は、良質なアウトプット(=的確な言葉選び)をすること。


「読書」
書く行為を前提にして読む
積極的受動性で、作者と対話し、重要な他者を取り込む
心の糧となる言葉を持つことで、心の浄化機能を果たす
運動と異なり、努力した分だけ報われる世界
体験の動機付け、体験の世界の広がり、自分の体験の意味確認
書経験を次に生かしていくことが重要
自ら門をたたくからこそ、言葉は身にしみるもの
その著者の思考の世界に入り込み、それを自分の脳で楽しむこと
要領を記憶して、それらを忘れないように時々繰り返さないといけない
オリジナルの感想でなく、要点が言えること
線を引いたところの理由を言えること
その際に自分の経験と組み合わせると最高


「成長」
優れた人間との会話で育つもの
読書なら一人で話を聞く贅沢な時間が確保される
そのために、一定の緊張と積極的に意味を理解する姿勢が必要
読書を核とした刺激で、人間性を高める
読書が対話となりうる実感を持つ。
真似して吸収し、その上でそれらをアレンジしてオリジナルを出す。
人間が成長するにはやはり他者からの評価にさらされる必要がある


「体験」
体験がいかに自分自身に伝染し、
化学反応を起こしたのかを伝えないといけない
体験することで感性や直感が磨かれていく。
体験が多いと直感が働き、直感がさらに体験を豊かにする


「肚をくくる」
先のことはよくわからないが、
これ以上考えを出入りさせていても埒があきないから、
ここらで覚悟を決めて、区切りをつけて踏み出してみよう


「肚がすわる」
肚をくくることが何度も繰り返されて「技」になった状態


「中間コミュニケーション」
プライベート⇒反フォーマル⇒パブリック
友達⇒職場や学校⇒初対面
聞き手からのプレッシャーの有無に違いがある


「抽象と具体」
抽象的⇒努力や根性、向上心などでなく、
具体的⇒いいモデルを見習うこと、自分の成功体験を思い出すなど


「理解」
資料を読んで内容を理解し、それを要約して簡潔に説明できる
英語で30秒くらい話せること
20分ぐらいの話を3,4分に要約できること


「縁」
偶然の出会い、縁、自分が蓄積してきたもの、それらが混じり合い何かに発展していく
運がいいと信じるところに意味がある


アイデンティティ
根のように深く、広く張り巡らすべき
自分というものが単独でなく、いろんな共通認識を共有する他者によって支えられている


「知情意体」
知:読書で知識を 情:聞き手の雰囲気、感情を読み取る
意:伝えたい強いメッセージ 体:声のトーン、ジェスチャー、顔の表情
話すことは書くことと違い、情と体が特に求められる


「並べ置き方式」
勇気や刺激がもらえる
例)井上雄彦のマンガが目に見えるところにあること

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身体論について


「アプローチ」
頭皮マッサージ
上半身 みぞおち、肩甲骨、首
呼吸 ふっ切る
下半身 スクワットで鍛える
横になり、10分〜15分、脳を休ませる
物理的に体の位置をずらすと、意識や思考、発想も変わってくる
身体の状態が気分を変え、世界の捉え方も決めていく。



「座ると歩く」
日本には坐禅という精神統一の文化
何かを編み出す時は座って集中するものだったが、
歩いて思考する西洋の文化も取り入れつつある


「上機嫌」
会う人会う人に対して上機嫌でいると心掛けると、段々持久力が付いてくる
慣れないうちは一時間ぐらいで疲れるし、気疲れしたとも感じる
慣れてくるに従って、それが当たり前になり、
エネルギーを消費し、結果よく眠れ、好循環に入っていく


「身体を重くする練習」
身体⇒表情⇒頭脳
気体、個体、液体の順に身体をイメージ
煙でふわっと吸う、石で硬く息止め、水で、ゆっくり、はき出す
腰を割って、足を踏ん張り、わきを固めて、
腹に力を入れて渾身の力で押す


丹田呼吸法」
3秒吸って2秒止め、15秒かけて吐き切る腹式呼吸
3〜6サイクル
心が不安定になっているときは、
心そのものに直接アプローチするのは難しい
だから、身体からアプローチする、案外うまくいく


「技化や習慣」
単調な流れや疲れた時こそ、意図的、あえて、どうせなら、〜なほど
⇒これらの精神状態でできることが技化や習慣が身についている証拠
強い意志で臨み、怠けず根気よくやり続け、途中でへこたれない強さ


「具体的な習慣化」
仕事は面白いと考える習慣
成果を上げるという習慣
身体と頭を休息させるという習慣
意味のない習慣から抜け出すには変化すること自体を習慣に
眠りにつく前の心身の心地よい疲労感を習慣にすることができたら、
生きる上での基本技となる。


「拍手」
嫉妬やいらつきを感じずに済む方法
場が盛り上がる、褒められたら気分はいい、拍手する人自身が泥沼から抜け出せる


「哄笑」
始めから能天気に笑うのでなく、深く考え、思いに沈み、ニヒリズムの影を身に帯びる、そんな時期を乗り越えて、再び、子供のころの明るい笑い声を取り戻すこと
感動できるやわらかな心と困難をも反転させるユーモアの二足わらじで山登り


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引用元の著書


1、声に出して読みたい日本語
2、コミュニケーション力 
3、座右のゲーテ
4、原稿用紙10枚を書く力
5、読書力
6、1分で大切なことを伝える技術
7、質問力
8、子供たちはなぜキレるのか
9、「できる人」はどこがちがうのか
10、教育力
11、代表的日本人
12、私塾のすすめ
13、日本を教育した人々
14、座右の諭吉
15、違和感のチカラ
16、ストレス知らずの対話術
17、頭が良くなる思考法
18、上機嫌の作法
19、使える!徒然草
20、3色ボールペン情報活用術
21、ナポレオンの仕事上達
22、凡人が一流になるルール
23、折れない心の作り方
24、筋を通せば道は開ける
25、人を10分間引きつける力
26、話し上手聞き上手
27、読み上手書き上手
28、アイデアを10倍生む考える力
29、座右のニーチェ